車にスロットルスペーサーを取付けると中低速の加速が良くなるという話を聞いた事があります。
どんな原理で作用し、本当に効果があるのでしょうか?
私は初代コペンに乗ってますが、低速の加速が悪いのが気になってます。
そこで、スロットルスペーサーを取付けようと思い、原理やその効果を調査しましたので参考にして頂ければと思います。
コメントおいらも速くなりたいよ。
スロットルスペーサーとは?
スロットルスペーサーとは、スロットルボディとサージタンク(インテークマニホールド)の間に挟むスペーサーのことで、エンジンの吸気改良に用いられるチューニングパーツになります。
上記の写真のように簡単な構造で、ガスケットとボルト(スペーサーの分だけ長くなる)のセットで販売されているものが多く、数千円~高くても1万円台程度で購入できる比較的安価なライトチューニングパーツになります。
実際に取り付けると上記の写真のようになります。
エンジンへの吸気エアの流れを改善することで、発進時~中低速時の加速が良くなるようです。
スロットルスペーサーの原理と効果
エンジンへ供給するエア(空気)はインテークパイプを通り、スロットルバルブ(アクセル操作)で流量を調節し、サージタンク、インテークマニホールド(略称:インマニ)を経由してエンジン内部に供給されます。
図1のようにスロットルの開き始めはエアが流れる隙間が狭く、また、通常、スロットルバルブとサージタンクとの接合部には段差があるため、発進時~中低速時のエアの流れに乱れが発生し、レスポンスが悪くなります。
スロットルスペーサーを取付けることで、これを改善します。
その主な原理は以下の3つになります。
原理①サージタンク内の空気量アップ
スロットルスペーサーを取付けると、図2のようにスペーサーの分だけサージタンクの容量が増えます。
このため、エンジンへのエア供給量、特にアクセルオン時のエア供給量が増えるため、発進時付近のレスポンスが良くなります。
原理②スロットル開閉時の空気の流れを改善
通常、図2のようにスロットルスペーサーとスロットルバルブの内径はほぼ同じであることが多いです。
これにより、スロットルスペーサーの分だけサージタンク入口での段差まで距離が稼げるため、アクセルオン時に段差でのエアの乱れが発生しにくくなります。
図3のようなスロットルスペーサーではスロットルバルブとサージタンクとの間の段差を緩やかにするため、さらにエアの乱れを抑制します。
このように、スロットルバルブを開き始めた時のエア(空気)の流れを改善するため、アクセルオン付近(発進~中低速)のレスポンスが良くなります。
原理③ベンチュリ効果による空気の流速アップ
流体は断面積の大きいところから小さいところに移動すると、圧力が下がり流速が上がる効果があります。
これをベンチュリ効果と言います。
水道のホースを指でつぶすと水が勢いよく出るのもベンチュリ効果の影響です。
図4のような内径が一度狭くなるスロットルスペーサーを取付けると、スロットルバルブからのエアがスロットルスペーサーのところで加速されます。
このように、スロットルバルブを開き始めた時のエア(空気)の流速を早くすることで、アクセルオン付近(発進~中低速)のレスポンスが良くなります。
スロットルスペーサーの効果に関する注意点
以上のような原理で、スロットルスペーサーを取付けることで発進~中低速にかけてのレスポンスが良くなると言われていますが、イメージ的な説明が先行し、数値的に効果のあることを実証した例はほとんどありません。
スロットルスペーサーのネット上での評判
数値的な裏付けデータのないパーツのため、効果については賛否両論のようです。
・発進時の加速が良くなった。
・発進時の加速が良くなった気がする。
・アイドリングが安定した。
・燃費が良くなった。
・逆に発進時の加速が悪くなった。
・効果を感じられない。
・高回転へのふけ上りが悪くなった。
・燃費が悪くなった。
車種やカスタム状況、運転者の感覚によって賛否両論のようです。
いずれにせよ、劇的な効果は無さそうですね。
取り付け方法
実際の取り付け方法を知りたい方はこちらの記事を参照ください。
その他(車検について)
スロットルスペーサーの取り付けはライトチューニングになりますが、車検に通るのか心配されている方もいるようです。
車検については問題ありませんが、念のため、車屋さんで確認してください。
まとめ
スロットルスペーサーはエンジンへの吸気改良に用いられるチューニングパーツです。
数値的な裏付けデータはなく、評価も賛否両論のようです。
ただ、安価なパーツであるため、発進時の加速を少し改善したい人は試してみても良いのではないでしょうか?
最後までお読み下さりありがとうございました。
それでは、皆さんも『めんどくさい事を楽しみましょう!』
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